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第176条 物権の設定及び移転

2020/07/21
民法
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皆さんおはようございます♪司法書士兼管理人の佐紀です(^_-)-☆

今日は民法第176条の物権の設定及び移転に関してみていきましょう☆

本条に規定されている「意思表示のみによって、その効力を生ずる。」というのは、現行民法が物権変動に関して採用する意思主義を宣言したものになりますが、形式主義というものも存在します♪

意思主義とは、物権変動が生ずるためには意思表示のみで足り、登記などの形式や表象は必要でないとする立法例をいいます♪対して、形式主義というのは、物権変動が生ずるためには意思表示のみではなく一定の形式や表象が必要な場合をいいます☆

そして、物権変動の時期に関して、契約時説、所有権の漸次移転説、登記・引渡し・代金支払時説がありますが、今日は簡単に説明していきますね(^_-)-☆

➀契約時説
原則として、契約の効力が発生する時に物権変動が生じるということです♪(最判昭33.6.20)例外として、直ちに物権変動を生じさせるにつき障害があるとき(例えば、他人物売買や不特定物売買など)は、その障害が除去された時♪そして、特約が存在する場合にはそれによることになります(*^▽^*)そして、契約時説に対しては、実際の取引上では登記や引渡し、代金支払いのいずれかがなされた時に物権変動が生じるという認識が強いという批判がありますね(*´ω`*)

➁所有権の漸次移転説
所有権というのは、一時的に全面的に移転するのではなくて、所有権の内実をなす様々な機能が徐々に移転していき、その全部が移転した時に所有権が移転するという考え方です♪そして、所有権の漸次移転説は、所有権の移転時期に関して統一性がなく明確性を欠くという批判があります♪

➂登記・引渡し・代金支払時説
登記・引渡し・代金支払いのいずれかがなされた時に物権変動が生ずるということです♪特約があればそれに従うことになります(*^▽^*)そして、登記・引渡し・代金支払時説については、もしも登記や引渡し、代金支払いが別々の時点で行われた場合に、物権変動の移転時期についてどう解すべきかが明らかではないという批判があります"(-""-)"

それでは条文と判例を確認してみましょう♪
物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
↓関連判例↓

農地の売買において、買主が売主に対して有する県知事に対する許可申請への協力請求権が消滅時効にかかっても、売主がこれを援用しないでいるうちに農地が非農地となったときは、その時点において所有権移転の効力が生じる。(最判昭61.3.17)

ある債権につきある不動産をもって代物弁済にあてる場合の不動産所有権移転の効果は代物弁済契約の成立した時に生ずるが、その債務が契約解除におり遡及的に消滅したときは、不動産所有権移転の効果も遡って消滅する。(最判昭60.12.20)

売主が他人の所有に属する物件を買主に譲り渡した後その所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がない限り、買主は、売主の所有権取得と同時に売主より右物件の所有権を取得する。(最判昭40.11.19)

売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨に出たものでない限り、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずる。(最判昭33.6.20)



それでは最後に過去問を見ておきましょう♪正誤は下にあります☆
【問題1】Aがその所有する甲土地をBに売却したもののその旨の登記がされない間に、Bが甲土地をCに売却したときは、CはAに対し、甲土地の所有権の取得を対抗することができる。「令和2年度」
【問題1】〇

AとCは対抗関係ではなく当事者の関係ですから、CはAに対して所有権の取得を対抗することができます(^^)/



本日は以上になります♪皆さんお疲れさまでした(*^▽^*)

管理人の佐紀でした(^_-)-☆

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